税理士資格と行政書士資格
による仕事の範疇について
税理士は国家資格を持つ税務会計のプロです。簡単に言うと、税金に関連した周辺業務をこなしております。ですから、個人の税金に関する相談や、法人の税務及び決算書の作成等も通常業務として行います。
最近では、経営環境の悪化から、事業に関する資金繰りのアドバイスをしたり、金融機関からの融資を受ける際の指導に関する業務なども行います。
税理士には独占業務と呼ばれている、税理士でないと出来ない3種類の業務があります。その業務とは、税務代理・税務書類の作成・税務相談の業務です。
税務代理
皆様方納税者の代わりに税金の申告を行う業務です。
（1）租税に関する申告書提出
（2）租税に関する審査請求
（3）税務調査・処分に対する立会いや主張
税務書類の作成
税務署に提出する確定申告書などの作成を代行します。
（1）個人の所得税確定申告書の作成
（2）個人間の贈与税申告書の作成
（3）相続税の申告書の作成
（4）法人の確定申告書の作成
（5）個人事業主や法人の試算表作成及び決算書の作成
（6）給与等源泉所得税の納付書作成
（7）税務上定められた各種申請書及び届出書の作成
税務相談
個人や企業のあらゆる税金の相談について説明とアドバイスをします。
（1）納税に関する相談
（2）税務調査に関する相談
（3）会計業務に関する相談
（4）事業運営に関する相談
行政書士は国家資格を持つ最も身近な「街の法律家」ともいわれている専門家です。
行政書士の仕事は大きく分けて3つに分類されます。その業務とは、書類作成業務、許認可申請の代理、相談の業務です。
書類作成業務
書類の作成代理人として、法的トラブルが発生しないよう予防法務的視野から契約書等の作成をします。
（1）国や地方公共団体など、官公署に提出する書類の作成
（2）事実証明に関する書類の作成
（3）権利義務に関する書類の作成
上記（1）～（3）の具体的例示業務として、建設業許可、内容証明郵便、遺言書・遺産分割協議書等の作成が該当します。
許認可申請の代理
作成した書類を官公署へ提出する際に、依頼主に代理して提出を行う業務です。また、行政書士が作成した書類について官公署より不利益処分の通知がなされた場合において、審査請求等の手続きをすることができます（ただし、特定行政書士の資格が必要です。）。
相談業務
依頼された書類作成について相談に応じる業務です。
（1）相続手続きに関する相談
（2）企業の経営・法務に関する相談
（3）各種許可申請に関する相談
税理士が行政書士を登録するのには理由がある。
税理士事務所の顧客は主に個人事業主や法人企業が該当します。これらの事業所は、その事業内容によっては、行政（都道府県市町村、保健所、警察署等）に申請手続きをし許認可を取得しないと開業できない場合があります。
また、相続手続き関連に関していえば、生前贈与をする場合でも税金が心配になったり、相続発生後には分割状況により相続税額に変動が生じたりする場合もあります。
税理士資格と行政書士資格を有することで、経営の状況や申請に至る経緯を把握していることから相談もしやすく、生前贈与や相続の発生の場合には高い安心感が得られます。そのため、税理士資格と行政書士資格を有する事へのニーズが高いのだと思います。
ご挨拶
現在、新木淳彦税理士・行政書士事務所は税理士業務と行政書士業務を融合させた総合事務所として活動しております。
当事務所の前身について紹介いたします。当事務所は、昭和62年4月に日本税理士会連合会に登録し税理士事務所として活動を開始しました。当初は、当事務所の「士業は1人一資格による専門性を高めるべき」との考え方により、税理士資格による業務以外については、他士業の専門性の高い先生方にお願いするべきとして、行政書士への登録は考えておりませんでした。
しかし、時代の流れとともに複雑化する社会において、依頼して下さるお客様のニーズにしっかりとお答えするにはどうしても行政書士の資格が必要と判断し、行政書士として平成27年7月に登録を致しました。また、翌年12月には行政書士会の所定の研修と考査を受けて、特定行政書士としての認定を受け、顧客の利便性を高めることにいたしました。
しかしそうは言っても、やはり専門外の分野もございます。依頼されるお客様のニーズに的確にお答えするべく、また、お客様からも安心して依頼頂けるよう、当事務所をサポートして下さる司法書士・特定行政書士の先生方と常に連携する体制を維持しております。